この記事は、 SIer脱出を語る Advent Calendar 2019 20日目の記事です🎉

よく「SIerではスキルが身につかない」という話を聞きますが、実際のところどうなのでしょうか?

先に結論を書くと、

「純粋な “技術” を追求するならイマイチだが、取り組み次第では幅広いスキルが身につけられる」

と思っています。

たった一人の偏った経験ではありますが、今後エンジニアとしてキャリア選択をしていく方のお役に立てれば幸いです。

全体的な経歴

詳しくは 「宮崎に住むエンジニアさんに20の質問」に回答してみる の中でも書いていますが、

  • 大学卒業後SIer勤務(5年間)
  • 宮崎に移住して Web系自社サービスの会社に勤務(2年間)
  • 宮崎でフリーランス化(現在1年半)

ざっくりとこんな感じです!

SIer時代の経歴

  • 新入社員研修(3ヶ月)
  • メインフレーム(COBOL)時代(9ヶ月)
  • Web系パッケージ開発(VB)(1年半)
  • 投資プロジェクト企画・開発(2年半)

SIer の社員としては、かなり特殊な方だと思います。

この5年間の中で様々なスキルを身につけましたが、今Web系フリーランスとして仕事をする中で「これは今も役に立っているな」と感じるものもあれば「これは役に立たなかったな」と思うものもあるので、その一部を紹介していきたいと思います。

さてこれ以下では、SIer時代の様々な経験を絵文字で振り返っていきましょう。

メインフレームシステムの開発・保守😫

COBOL の経験が Web系で役に立たないことは言わずもがなですがw

安定稼働したシステムの保守なので仕事も暇で、ほぼ定型フォーマットの書類を作るだけの辛みが多い仕事でした・・・。

要件定義・設計プロセス😊

その後社内でお願いして、無事オープン系開発のチームに異動させてもらいました。

普通にコードも書いていましたが、2年目からガッツリ要件定義・設計プロセスに入れたのは今思うと良い経験になったなと感じています。

会社の長い経験からドキュメントのフォーマットやレビューのプロセスがきっちり作られているので、とりあえずそれらに従うだけでもそれなりのアウトプットが出せるんですよね。

もちろん、先輩方にガッツリレビューしてもらって初めて使えるものになるのですが、最終的にはちゃんとしたものになるので成功体験できます。

当時は無駄に多いドキュメント・フォーマットに辟易していましたが、今になってみるとこのおかげで要件定義・設計プロセスを体系的に学べたかな、と思います。

Webエンジニアではそこまでガチガチの書類が必要になることはないですが、手法として知っておくといざ必要になった時に 図やドキュメント・コミュニケーションで情報整理 できるとチーム開発の円滑化にも自分の理解促進にも役立ちます。

プロジェクト管理🙂

プロジェクト管理はゴリゴリのガチガチに社内規定で固められていて、これにはなかなか苦戦しました。。

ただ上述した要件定義同様、そのおかげで経験できたし、体系を学べたと思っています。(無駄も多かったけど・・・)

ざっくり「プロジェクト管理にはこういう要素がある」と理解できていると、Web系プロジェクトでも多少は参考になる・・・気がする。

UXデザイン😊

これはかなり特殊な経験なのであまり参考にならないかも。。

企画の仕事の一貫で「ウォーターフォール開発に UXデザインプロセスを取り込もう」ということで、外部のコンサル会社にお願いしてペルソナ・ユーザーストーリー・ユーザーインタビューなどのプロセスを通じて、UXデザインに取り組む機会がありました。

特に「ユーザーストーリーを設定し、プロトタイプを作り、ユーザーインタビューでフィードバックを受けてユーザーストーリーを見直す」というループはすごく良い経験。

こういうの、手法は知ってても一度やってみないとなかなかバチッと進められなかったりするんですよね。

製品にとっていかにUXが大事かを身を以て感じられたし、サービス作りにおける自分の価値観のベースになっていると思います。

研修😊

SIerに限った話じゃないと思いますが、大企業は研修制度がしっかりしてます。

3ヶ月間の新入社員研修はもちろんですが、配属後も自分で選んで色々と研修を受けさせてもらいました。

おかげで情報処理系の資格もたくさん取れたので、ありがたい限りです。

まとめ

  • SIer でも身につけられるスキルはある
  • ただし、技術=プログラミング力 として捉えるなら、SIerではあまり身につかない(普通に受託開発している会社の方がコードを書く機会が多い)
  • ゴリゴリ技術を追求するエンジニアには不向きだけど、将来フリーランス・起業などで少人数でプロジェクトを回す立場になるなら、案外 SIer の経験が役に立つこともある
  • 配属という名の運ゲーからは逃れられない・・・